大谷翔平の両親が、我が子の前で「絶対にやらなかった」意外なこと
世界的アスリートの育て方とは?
子育てほど難しいことはない。
親のちょっとした選択によって、子供の将来が大きく変わる可能性があるからだ。
WBCでも目覚ましい活躍を見せた大谷翔平選手をはじめ、
世界で活躍するあのスター選手の家庭は、いったいどんなふうに我が子を育てたのだろうか。メジャーリーグを震撼させた大谷翔平(28歳)に限らず、
’19年の全英オープンで優勝を果たした渋野日向子(24歳)や、
フィギュアスケートの「絶対王者」羽生結弦(28歳)など、
近年、世界のトップレベルで活躍する日本人アスリートが増えている。ここぞという大舞台で本領を発揮できる彼らのメンタリティは、いかにして育まれたのか。
大谷ら多くの「超一流選手」の親を取材し、
書籍『天才を作る親たちのルール』を著したスポーツライターの吉井妙子氏は、
「両親たちの姿勢には共通点がある」と語る。「それは、頭ごなしに怒らないこと、そして子供の考えを否定しないことでした。
『なぜできないのか』『お前はダメだ』と言われた瞬間、
子供は強烈なコンプレックスを植え付けられてしまう。
その二つを『しない』ことが、子供たちの個性を大きく育てているのです」〈(昔の親は)何をしてやろうかと考えた。
けれどいまの親の愛情は『何をしないか』を考えなければならない〉’07年に亡くなった教育心理学者・河合隼雄氏は、
著書の中で、いみじくもこう書き残している。良い学校に合格するために塾に通わせる。
音楽の素養を身につけるためにピアノを習わせる–。
子育ては「足し算」の発想になりがちだ。だが、「超一流」を育てた両親たちの振る舞いをつぶさに見ていくと、
吉井氏が言うように、
「何をするか」ではなく「何をしないか」に深く注意を払っていることがわかる。そもそも、
「やりたいことを楽しくやらせる」がモットーだった大谷の父・徹さんは、
息子に「野球の練習をしろ」と注意することは一切なかった。楽しく野球をやらせる…。
それは、朝から晩まで父とバッティングセンターにこもっていたイチローのような、
一昔前のプロ野球選手の成功譚とは一線を画する意識だ。〈160kmを投げる〉
〈メジャーに行く〉
大谷は、幼い頃から大それた目標を、臆することなく口にしてきた。
この背景にも、
「子供が思ったことを大人の顔色を窺わずに言えるように」と願う両親の深慮がある。徹さんと母・加代子さんは、
大谷が小さい頃に一つの誓いを立てた。それが、
「子供の前で絶対に夫婦喧嘩をしないこと」だった。「親が喧嘩をすれば、居心地が悪くなり、顔色を窺うようになる。
ご両親は家庭の雰囲気をいつも朗らかにして、
子供たちが話したいことをなんでも話せる空気を作っていた。
おかげで、大谷選手は反抗期もなく、
中学2年生までお父さんとお風呂に入っていたそうです」(吉井氏)練習の無理強いはせず、家庭は明るい雰囲気を保つ。
これは、女子ゴルフの渋野の家も同じだった。渋野の父・悟さんは、
かつて本誌の取材にこう答えている。「『練習行くか?』と聞いて、本人が気乗りしていない様子のときは、
現代ビジネス https://gendai.media/articles/-/107205?media=gb&fbclid=IwAR3mptrkmYXFnNnTodwlXtUeIC9uaPJ7oogRO0nkg8NNypjc2JYcFGQqBdU
『じゃ、今日はやめとくか』と何もさせなかった。
ケツを叩いて『練習に行け!』みたいに言ったことは、一度もありません」