「経営とはどういうものか、これから見せてやる」
そんな声が耳に入ったのかどうか、稲盛は塾長例会でこう話した。
「私は3つの大義のために全身全霊をかけてJALを再建する。1つ目は日本経済への影響。2つ目はJALの従業員を守るため。3つ目は健全な競争を維持し、国民へのサービスを守るため。経営とはどういうものか、これから見せてやるから、よう見ておけ」
盛和塾で学ぶ経営者は8000人を突破した。普段、「経営はかくあるべし」と説いている稲盛が、8000人が凝視する前で自ら手本を示す。師匠として、失敗したら言い訳が立たないのは、稲盛自身が一番分かっていたはずだ。「そこまでしてくれる経営者が他にいますか。その覚悟だけでも素晴らしいのに、短期間でJALをV字回復させた。もうね、ハハーッてひれ伏すしかない。神様です」。
アインシュタインの名言
★誰かのために生きることにのみ、生きる価値がある。
★成功者ではなく、価値ある人間を目指すべきだ。
![稲盛和夫氏「くだらん質問をするな!」と塾生をしかる](https://external.foko1-1.fna.fbcdn.net/emg1/v/t13/15420812660465530354?url=https%3A%2F%2Fbusiness.nikkei.com%2Fatcl%2Fseminar%2F19nv%2F120500136%2F121300933%2Ffb.jpg&fb_obo=1&utld=nikkei.com&stp=c0.5000x0.5000f_dst-jpg_flffffff_p1000x522_q75&ccb=13-1&oh=06_AbHdy83aunIUQd0cYOXMIdrXIUsuc8IIzjBrel2ehYLeaw&oe=65573BAB&_nc_sid=dbad39)
稲盛和夫氏が主宰した「盛和塾」で経営者たちは何を学んだのか。今回は社内に「稲盛和夫の部屋」まで作った米子市の経営者。稲盛氏の「追っかけ」として長年、師を間近で見てきた目に映ったものは何か。